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逆質問でレガシーな環境かモダンな環境か判断しておくべき理由
エンジニアにとって、開発環境や使用するツールは何よりも気にすべき事柄です。ここはなかなか、他の業界志望の人には理解されにく話でした。
技術の進化や移り変わりはとても速いのがWeb業界の常識です。レガシーな環境で働いていると、市場価値が高まらず、薄給で働き続けるしか選択肢が無くなります。
Web系のエンジニアは転職を繰り返してキャリアを積み上げ、年収をあげるのが普通なので、市場価値が高まらないというのは、最も避けるべき状態なのです。
一見モダンでイケてるのに技術はレガシーなIT企業
新しい事業、革新的な事業に積極的に取り組んでいるからといって、新しい技術に取り組んでいるとは限りません。
SIerと比べればWebエンジニアはモダンな環境で開発ができる可能性は高いのですが、技術に理解のない経営陣が一定数いるのも確かです。
よくある典型的なパターンは、創業者がコンサル系などの出身でサービス志向が強く
「これが実現できたら超すごいじゃん!」
とびっくりするようなアイデアと理念を持っているが、技術的にはまだそれが追いついていないというパターン。
そういう企業に限って、理念とそぐわないような事業でそこそこのお金を稼いで10年近く生き残っていたりします。
技術志向があまり強くないので、レガシーな技術やツールを使い、優秀なエンジニアも集まりません。
「この事業は今はまだ構想段階だが、君達のような優秀なエンジニア(学生)には是非会社の主力となって、事業の成長に貢献してほしい」
と何回説明会で言われたことか。
そういう企業の口コミを調べたりエンジニアと話をすると、エンジニアが冷遇されていたり、体育会系の風土が強いとわかることが多いですね。
開発経験を数年積んだエンジニアの市場価値は高騰していますので、新卒のエンジニアを低い給与で雇って据え置くしかないのです。
他にも
人事 「是非とも新卒で優秀なエンジニアを獲得して機械学習でイノベーションを起こしたいと思っています」
なっかー 「文系の自分でも採用される可能性はありますかね」
人事 「エンジニアも総合職で採用しているからその辺は心配ありません」
なっかー (ちゃんとエンジニアで配属されるかどうかが一番心配なのだ…)
という頭のネジが3本くらい外れているような人事と会ったこともあります。
そんなに優秀な機械学習のエンジニアがわざわざ総合職で入社してくるメリットなど皆無に等しいです。
開発環境がモダンなのかレガシーなのか確かめる逆質問
上記で述べたような企業に引っ掛からないために以下のような質問をしていました。
- コードレビューの文化はありますか?
- バージョン管理ツールやCIツールは何を使っていますか?
- 単体テストや統合テストを行なっていますか?
- 社内で勉強会はどの程度開かれていますか
- スペシャリストとジェネラリストにキャリアを積んで行く割合
- LinterやFormatterを使っていますか?
- 新規事業の開発で用いる言語はどのように決まっていますか?
- 社内のエンジニア比率はどれくらいですか?
逆質問ではなるべくYes/Noで答えられる質問やクローズドクエスチョンはしないのが原則ですが、開発環境につい手の逆質問は例外です。
コードレビューの文化は技術を大切にする会社であれば当たり前のことですし、GitやJenkins,Slack,Linterのような便利なツールはエンジニアに裁量があれば、導入していることでしょう。
受託系企業やエンジニアの裁量が少ない企業だと、言語やフレームワークに関する謎の制約があって、技術選定が自由にできないところも結構あります。
これは考え方にもよりますが、エンジニアとしての技術、キャリアの幅を狭めることになると考え、こういう会社は敬遠していました。
社内のエンジニア比率は、一つの目安として見ておけばいいでしょう。
ゲーム会社は営業が少なく特に高い技術が求められるので、比率が他より高くなります。
大体は2割強から4割くらいに収まります。エンジニア比率が2割をきるようなIT企業であまりいい話を聞きませんでした。
8割近くがエンジニアという会社もありましたが、エンジニアも企画やデザイン、交渉を行うことで成り立っているので幅広く経験を積みたい人にはお勧めできます。
スペシャリストを目指せるキャリアがあるか聞いておこう
キャリアの選択肢についても今まで選考を受けた全ての会社で聞いていました。
若いうちに数年間ある程度経験を積んだら、役職がついて現場の最前線からは離れてマネジメントの仕事に推移してくのは、IT企業に限った話ではないでしょう。
しかし、エンジニアのような技術職は、スペシャリストとしてキャリアを積みたいという人も多くいます。
そうした要望がどれくれい通るかは、技術をどれくらい大切にしているかと関係してきます。
「開発や運用なんて誰にでもできるんだから経験の浅い若い奴らにやらせておけばいい」
という考え方が会話の節々に現れる人事に結構いて、かなり悪い印象でした。
レガシーな環境は自身の転職の妨げにもなるので、一つの企業にあまり長く勤めないと考えている人も聞いておくべきでしょう。
勉強会についてはかなり突っ込んで聞いてみよう
エンジニアの勉強会についても、選考を受けた全ての企業で逆質問させてもらいました。
1社を除いて全ての企業で行われているという答えが返ってきたので、勉強会が開かれていないというのは論外でしょう。
色々話を聞いてきた中では
- 頻度
- 形式
- 社外との交流
技術志向の強い会社やゲーム系では週一ペースで開かれていて、なおかつエンジニアが好き勝手集まって業務終了後にモダンな技術を勉強しているパターンが多かったですね。
社外のエンジニアを招いたり、社外への勉強会を推奨している会社はエンジニアを大切にしている印象が持てました。社外のエンジニアを招くのは、採用につなげる目的が大きかったりします。
選考を受けている学生なら、お願いすれば大体参加させてもらえるので、参加して雰囲気を掴むことを強くお勧めします。
電話対応もしっかりチェックしよう
え、電話対応?と思う学生も多いと思います。
しかし、電話対応がしっかりできず、学生の延長のような話し方をするような企業のエンジニアと会って、この人優秀だな、と思ったことは一度もありません。
この逆が成り立つかといえばNoですが、電話対応は一つの目安になると考えています。
これは自分の肌感覚であって、理由は不明です。エンジニアにしろ、バックオフィスにしろ社員をしっかり育成しているかが表れているのではないでしょうか。
一番いいのは色々なエンジニアに会って質問すること
なかなか大変かもしれませんが、どうしても行きたい企業なら色々なエンジニアに会って見ましょう。
通常は面接ごとに異なるエンジニアが出てくるので、そこで自分は最近注目しているモダンな技術や、今新しく取り組んでいる技術について聞いていました。
これが一番シンプルですし、面白くて刺激的な話が聞ける可能性が高いです。最初のうちはわからない言葉だらけだったので、毎回家に返ってググってました。
いずれにせよ全ての質問を聞くことはできないので、紹介したうちのいくつかを用意しておいて、聞いてみるのが良いでしょう。