こんにちは。なっかーです。
新卒でどこのIT企業に入るかは、エンジニアを目指す学生にとっては大きな選択になるでしょう。
しかし、中には自分の希望通りにならず、開発経験もあまり積めない企業や、大量採用をしてふるい落とすブラック企業にしか内定をもらえない人もいます。
結論から言えば、そうしたしょうもない企業はWebエンジニアとしてのキャリアにはプラスになりません。
自分のプラスにならない会社に正社員として入社して退職すれば、履歴書にも傷がつきます。
それならば、最初からそんな会社には入らず、業務委託やアルバイトとしてエンジニアの仕事をもらうことをオススメします。
就活せずに大学を卒業して、上京してプログラミングスクールに通ってエンジニアになるというキャリアを考えてる大学生が最近多い。これ、すごく賢いなと思う。無知な大学生が自分で選んだ会社より、スクールのコネ使って入った方がまだブラックに遭遇しにくい。就活ない分モラトリアムも謳歌できる。
— やまもとりゅうけん(本体は妻) (@ryukke) April 15, 2018
今回は正社員として入社できない新卒のエンジニアは、無理に新卒カードを使わない方がいい理由を紹介していきます。
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入社ギリギリでも採用する企業は大抵人売りのSESだから
最初に述べておくべき、最大にして最も重要な理由がこちらになります。
SES(システム・エンジニアリング・サービス)に関する詳しい説明は避けますが、将来エンジニアとして独り立ちしたい人がわざわざ新卒カードを使って行くような会社ではありません。
SES企業は基本的に人手不足か、誰でもいいから沢山採用したい、のどちらかなので、比較的簡単に内定がもらえます。
SESの中でも特に悪質なところは、1回の面接で内定を出すこともあり、就活のスケジュールに乗り遅れたエンジニア志望の学生が、右も左もわからず入社するケースが見受けられます。
そのような会社に入ってしまうと、キャリアを積めないまま年齢だけが上がり、気付いた時には手遅れということになりかねません。
ちょっと情報収拾をすればわかるのですが、新卒の学生さんは業界の仕組みを知らないまま就活を終える人が大半なのが残念ですね。
SESが全て悪質とは言いませんが、その中でも良質なSESを見分けるのは、エンジニア初心者には困難であるため、決してオススメできるものではありません。
業務委託やアルバイトの方が触りたい技術を選べるから
SESに限らず、正社員になると、希望する部署や触りたい技術とは無縁の仕事をさせられる可能性があります。
大抵の会社は、わざわざミスマッチを起こしたくないので、一応新入社員の希望も考慮してくれるケースが大半ですが、WebエンジニアになりたいのにWebとは関係ない仕事をしたり、さらにエンジニア以外の仕事をさせられる可能性もゼロではありません。
聞いたことのある範囲ですと、SES企業に入り
- 家電量販店で接客
- ひたすらドキュメントの作成
- 倉庫の荷物の搬入作業
- IT製品のサポートコールセンター業務
をさせられたという話は山ほど聞きますね。(もちろん全て違法です。)
正社員は簡単に解雇できない以上、ある意味なんでもやらなければいけない立場です。
下のツイートにあるように、優良企業と言われる日立でさえ、キャリアを積める美味しい仕事にありつけるとは限りません。
新卒カード使って日立に入り、一生安泰だと思ってた
実際は市場価値の上がらない無意味な仕事ばかり嫌な仕事して土日待つだけの生活にうんざり。
ワーク=ライフにすることを決意してプログラミング鬼勉強❗️
幸運にも1発で一生かけたいものと巡り会えた大変なことも多いけど毎日が輝いています✨ https://t.co/Li2XEK5hcR
— のりさん@エンジニア転職 (@tomotomo104114) April 27, 2019
それに比べれば、業務委託やアルバイトは任せたい業務があらかじめ決まっているので、使う技術や関わるサービスも働く前にわかります。
RubyをやりたければRubyを使っているスタートアップにいけば良いし、PHPがやりたければPHPを使うIT企業に応募して仕事をもらうのです。
会社が小さければそれだけ使う技術が限定されるのですが、創業したばかりのスタートアップは業務未経験エンジニアを正社員として雇うことはまずないのが現状です。
ある程度就活を続けていればわかると思いますが、新卒の正社員を雇うというのはある程度体力と余裕のある企業でないと不可能です。
ある程度技術をつけてポートフォリオを完成させ、小さめのIT企業から少しずつ仕事をもらうのが有効な戦略となります。
就職活動自体が自分に嘘をつく時間の無駄となりうるから
就職活動は自分を分析し、自分の考えや技術を評価してもらうという意味ではとても貴重な経験になります。
一度入ってしまえばある程度の安定と収入が期待できる大手商社やインフラ企業、マスコミなら全力で就活に力を注いでもコスパは悪くありません。
しかし、若くて大切な時間をIT業界の就職活動に使う価値がある人はごくわずかではないかと感じています。
そんなに就活自体に労力をかけなくても優良な人気企業から内定をもらえる技術と学歴と人当たりを備えた人以外は、コスパを考えると微妙です。
新卒カードの使い道
今のところYahoo、楽天、ソフトバンク、サイバーエージェント、リクルート、DeNAとかか
でも楽天がエンジニア採用の新卒一括採用取りやめて通年採用にしたように、新卒カードも弱くなっていくんだろうな https://t.co/eq2as2neuG
— いぜき/web開発する阪大生 (@rails_g_izk) April 25, 2019
- そこまで志望度が高くないのに頑張ってESの質問を書く
- 金と技術が欲しいだけなのに急に社会貢献を考える
- 落とされて自分に自信を無くす
- 無駄にWebテストに強くなる
- 自分に嘘をついて企業理念への共感を示す
というのは人生全体で見るとあまりプラスには働かないでしょう。
だからこそ、
「就活自体(仕事や技術にに関係ないこと)はコスパ良く乗り切る。コスパ良く乗り切れない人は別の角度から業界に入りこむ」
ということを勧めています。
技術を磨く自己研鑽は、就活にも将来の仕事にも活きてくるので積極的にやるべきでしょう。
せっかく若くて吸収が早い時期なのですから、就活が長期化するくらいなら、質の高いポートフォリオを完成させた方が業界には入りやすくなります。
単純に目先の給料は上がるから
アルバイトや業務委託なら、諸々の福利厚生がない代わりに、見かけの給与は正社員よりも高くなります。
- 有給休暇
- 家賃補助
- 失業保険
- 交通費
- 安定
- ボーナス
など、労働者の権利がないのですから、会社は正社員よりも高いお金を払うことが可能となります。
若いうちはちまちま保険や安定を考えるよりは、思いっきり仕事に没頭して自分でキャリアをコントロールできるの安定を目指すのが正しいというのが私の考えです。
それならば目先の額面が多い方が、モチベーションも上がりますし、それが自分の成長にプラスに働くことが多いです。(中途半端に多い目先の金に騙されて自己研鑽を辞めてしまうのは最悪)
新卒のエンジニアですと、入社してしばらくは市場価値に見合わない金額で働かされることになります。
それなら実力に応じて比較的簡単に報酬をあげてもらいやすい業務委託を考えるのは悪い選択ではありません。(もちろんクビになるリスクも十分にあります)
1,2年必死に実務経験を積めば、経験者としてIT企業の採用市場に入っていけますので、正社員になるのはそこからでも遅くはありません。
研修や人脈の面では不利だが、転職には響かない
新卒カードを逃すということは、新卒の特権であるビジネスマナー研修や、技術研修を受けられないというデメリットがあります。
新卒カードにあまり意味がないと言えるエンジニアであっても、数ヶ月間の研修をお金を貰いながらできる環境があれば、是非とも飛びつきたいところです。
しかし、世の中のIT企業はそんなに新卒のエンジニアを大切にしてくれる企業ばかりではありません。
先ほども述べたように、新人のエンジニアに高い技術をつけさせるより、低スキルでもできる仕事に派遣して儲けようとするSESも沢山あります。
「どうしたらエンジニアに転職されないか」ということだけを考えれば、それは転職できるスキルを身につけさせない、というのがある種の最適解となりうるのです。
入社ギリギリで内定をくれるような企業は、基本的に人手不足か、誰でもいいから入って欲しいというブラック企業の可能性が高まります。
そうなると、エンジニアとしての基礎を叩き込まれる研修も、ろくなビジネスマナー研修も期待できません。
研修が充実しているという触れ込みだったのに、
- 実際の研修は一冊の本を渡されてそれを覚えるだけ
- 質問しても誰も教えてくれない
- 会社内でしか使われない難解なツールの仕様を覚える
という、かなりがっかりな研修というのもよくある話です。
また、人脈という面に関しても、正社員の同期でなければ得られない絆というものも存在します。それが後々の仕事に活きてくるかもしれません。
ですが、誰でも入れるようなブラック企業だと、その人脈の質というのもあまり期待できるものではありません。
将来有益な情報を得られたり、おいしい仕事を紹介されるような良質な人脈はどこでも得られるものではありません。
それならば、インターンやアルバイトで優秀な先輩に囲まれながら信頼を勝ち得ていく方が、人脈の質の面では期待できます。
転職活動に置けるマイナスはないのか
新卒カードを使わずにいきなり業務委託やアルバイトを始めると、後々の転職の際に社会不適合者ではないかと怪しまれるのではないかと考えるかもしれません。
しかし、エンジニアは実力主義の世界です。過去の経歴よりも「今何ができるか」が問われる世界です。
世の中には新卒で入った会社を半年で辞めたり、20代で3回も転職しながらWebエンジニアとして立派に活躍されている方も沢山います。
それに比べれば新卒カードを使わなかったというのは可愛いお話です。
留年した場合を考えた自分の戦略
自分も新卒カードを使ってエンジニアとして働くことになりましたが、大学の成績がかなり悪く、留年して新卒カードを逃しそうになったことがありました。
大学をもし留年して内定が取り消しになったら、当時の自分も、もう就活はしないつもりでした。
自分の場合大学2年からプログラミングを始めていたので、もし1年留年して学生時代どこかでインターンをしていれば、卒業時点で実務経験は3年近くということになります。
その状態でわざわざ新卒として年収400万円でスタートするよりは、フリーランスとして月60万〜70万円の案件をやる方が良いという考えです。
他の業界なら絶対にありえませんが、ある程度の経験があれば「新卒フリーランス」も決して無謀な戦略ではありません。
まとめ 新卒フリーランスは万人にオススメはできない
どうしても就職活動に乗り遅れて、やる気と根気はあるのに就職が決まらないという人は、新卒で業務委託契約でどこかの会社に潜り込んでも良いでしょう。
業務委託は契約の形態だけみればフリーランスと同じということになります。
ただ、私は全員の新卒にこの方法を勧めている訳ではありません。
もし就職活動までに時間があるのなら、できる限り良質なポートフォリオとインターン経験を武器にして、優良なWeb系企業に正社員として入社すべきだと思います。
また、将来の目標もキャリアプランも成長意欲もないままにフリーランスになったところで、キャリアを積むことは難しいでしょう。
新卒で希望の企業に内定が取れないとわかれば、すぐに行動に移しましょう。卒業後とはいわず、在学中に勉強を進め、卒業する頃には仕事を得ている状態にしておきたいですね。
エンジニアの就職のために必要な勉強方法を体系的にまとめてみたちなみに僕がもしいま文系の大学1年生だったら間違いなくWeb系エンジニアになることを目指すと思うのですが、プログラミングスクール数ヶ月通って質の高いポートフォリオ作ればそれなりの企業に就職できるということは分かってるので、少なくとも2年生の終盤くらいまでは絶対に遊び暮らすと思いますw https://t.co/Jdmd8WUnaD
— 勝又健太@テック系YouTuber (@poly_soft) February 6, 2019